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土砂流出で基礎部分傾く 原爆の碑を修繕へ 府中町

■記者 榎本直樹

 府中町は同町本町の榎川河川敷に立つ「原爆の碑」を修繕する。基礎部分の土砂が流出し、碑が傾いているため。6月末までに工事を終える。

 河川敷では、町内に逃れた後に亡くなった大勢の被爆者が火葬された。1985年、慰霊のために町民たちが実行委をつくり、集めた募金で碑を建てた。毎年8月6日、「町原爆死没者慰霊並びに平和祈念の会」が河川敷で式典を開いている。

 碑は高さ約1.6メートル、幅約2メートル。「核に灼(や)かれし 御霊安(みたまやすら)かれ 永遠(とこしえ)に ともに築かん 世界の平和」との碑文を刻む。

 町は今月下旬に工事にかかり、碑と地面の間に縦3.5メートル、横5.5メートル、厚さ20センチの板を敷く。高さ50センチ、幅2.1メートル、奥行き90センチの台座も設置。いずれもコンクリート製で、中に鉄筋を入れて強度を上げる。

 町は昨夏、碑の傾きを確認し、崩れるおそれがあるため修繕を決めた。修繕費として180万円を本年度予算に計上。実行委からの寄付金を基にした原爆の碑基金を活用する。

(2010年5月7日朝刊掲載)

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