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原爆の惨劇 油彩に 鳥取出身 こんどうさん個展 広島

■記者 増田咲子

 原爆をテーマに描き続けている鳥取市出身の画家こんどう冬爾(とうじ)(本名近藤侑司(ゆきじ))さん(71)=東京都練馬区=の個展「原爆の詩」が8日、広島市中区袋町の旧日本銀行広島支店で始まった。14日まで。

 広島と長崎をテーマに描きためた油彩画35点を並べた。中国新聞の連載「ヒロシマの記録―遺影は語る」を題材とし、きのこ雲を表現した「真夏の朝の星々」は、来場者が作品上に原爆犠牲者の表情を描くことができる。

 原爆投下前の朝、さく裂、黒い雨を描いた3部作や、原爆資料館(中区)にある人影の石をモチーフにした作品などもある。

 こんどうさんは18歳で原爆ドーム(中区)を目にして以来、原爆をテーマにした。だが「被爆者でないと描けない」といったん挫折。1998年、新たな視点で被爆体験を継承しようと制作を再開したという。広島での個展は初めて。無料。

(2010年5月9日朝刊掲載)

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