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ベトナムと平和の連帯 被爆者5人 虐殺事件追悼式へ 生存者や元米兵と交流

■記者 森田裕美

 ベトナム戦争で民間人が多数犠牲になったベトナム中部の旧ソンミ村虐殺から40年となる3月、現地である追悼式典に、広島で被爆した核物理学者で名古屋大名誉教授の沢田昭二さん(76)ら愛知県在住の被爆者5人が参列する。生存者や元米兵と交流し、平和を願って体験を語り合う。

 学生や市民とともに約50人で3月14日に日本をたち、16日の現地での式典に出席する。戦争への加担を反省して現地で貧困解消や平和公園建設などの支援活動を続けるベトナム戦争帰還米兵たちのプロジェクトを視察。首都ハノイやホーチミンで枯れ葉剤被害者とも交流し、21日に帰国する。

 沢田さんは、旧制広島一中(現国泰寺高)2年の時に被爆し、炎の中を母親を残して逃げた経験などを話すという。現地で原爆ポスター展の開催も計画している。「丁寧に被爆体験を語り、戦争の愚かさを分かち合いたい」と意気込んでいる。

 原水爆禁止世界大会で知り合った元米兵の呼び掛けに、沢田さんと南山大の藤本博教授(米外交史)が応え、「ソンミ・ヒロシマ・ナガサキをつなぐ旅」として計画。愛知県の被爆者や学生に呼び掛けて実現した。

ソンミ村虐殺事件
ベトナム戦争下の1968年、米陸軍のカリー中尉率いる部隊が南ベトナム解放民族戦線の拠点としてソンミ村を襲撃した。当時、村にいたのは朝食の支度をする女性と子供や老人だけだったが、カリーは殺害を命じ、無抵抗の村民を大量虐殺。事件は翌年明らかになり、世界に衝撃を与えた。

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