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NPT会議 軍縮教育求め共同声明 日本など42ヵ国 

■記者 金崎由美(ニューヨーク発)

 日本政府は11日、米ニューヨークの国連本部で開会中の核拡散防止条約(NPT)再検討会議で、軍縮・不拡散教育の重要性を訴える42カ国の共同声明を発表した。軍縮教育が「核兵器のない世界の達成を支える」と強調している。このテーマでの共同声明は初。最終文書への反映を目指す。

 日本の呼び掛けに応じたのは、核兵器保有国のロシア、非保有国のブラジル、ドイツ、スイス、タイなど。米国やフランス、中国などは参加しなかった。

 声明は核軍縮について話し合う第1委員会で、須田明夫軍縮大使が代表して読み上げた。「将来の世代に、核兵器の使用がもたらす悲劇的な結果への意識を高めさせる」「個人の知識や批判的な思考をはぐくむ」と狙いを説明。各国政府や市民社会との連携も訴えた。

 須田氏は声明発表後、「核軍縮・不拡散の教育は重要であり、唯一の被爆国として力を尽くしている。今回、多くの国が同じ考えを持っていると強く感じた」と話した。

 日本は既に、軍縮教育の推進や、被爆証言の保存などにデジタル技術を活用する提案などを盛り込んだ作業文書を国連大学と共同で再検討会議に提出している。

 再検討会議はこの日、不拡散などを話し合う第2委員会、原子力の平和利用などを議論する第3委員会の各小委員会も非公開で開催。地域の安全保障問題や、条約の脱退条項の扱いについて意見を交わした。

(2010年5月13日朝刊掲載)

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