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良心的兵役拒否で来日 独の青年 ヒロシマ学ぶ 広島でフォーラム 被爆者らと交流

■記者 桑島美帆

 兵役義務のあるドイツで「良心的兵役拒否」を選んだ青年を対象にした「日独平和フォーラム」が19日、広島市中区の広島国際会議場で始まった。23日まで、原爆資料館や平和記念公園でのフィールドワークのほか、被爆者の証言を聞いたり、憲法9条の精神について学んだりする。

 受講生は、昨年9月から札幌や大阪など国内各地の介護施設や環境団体、平和博物館などでボランティア活動をしている20歳前後の10人。

 初日は、日本受け入れを世話しているベルリンの非政府組織(NGO)「独日平和フォーラム」代表オイゲン・アイヒホルン教授(63)が原爆投下までの歴史や核の現状について説明した後、原爆慰霊碑に献花。秋葉忠利市長を表敬訪問した。

 札幌市の障害者施設で働いているデビッド・ボイトさん(19)は「ホロコーストの史実を通しての戦争責任はこれまで学んできた。被爆者の証言などを聴き、広島の視点から平和について学びたい」と話している。

 ドイツでは18歳から23歳の男性に9カ月の兵役が義務づけられているが、戦争反対などの信念を文書で提出すれば兵役を拒否できる。適用者には国内や海外でのボランティア活動が義務づけられている。

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