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素案協議 対立が表面化 NPT会議

■記者 金崎由美(ニューヨーク発)

 米ニューヨークの国連本部で開会中の核拡散防止条約(NPT)再検討会議は18日、合意文書の素案を話し合う委員会を継続した。素案協議の2日目にきて、意見の対立が目立ってきた。

 核不拡散に関する第2委員会で非同盟諸国(NAM)は、素案が「行動計画」「再確認事項」などとして列挙した72項目のうち60項目に修正案を提出した。IAEAの査察権限を強めた追加議定書の締結は「各国の判断」とする加筆や、原子力関連の輸出管理をする原子力供給国グループ(NSG)を評価する文言の削除などだ。

 これに対し、日本は「NAMは追加議定書やNSGが好きでないようだ」と発言。IAEAの査察強化を重視する米国なども批判を展開した。  これを受け、NAM議長国のエジプトは、NSGがNPT非加盟のインドに原子力協力をしていることを指摘。「NPTに違反しているNSGを持ち上げろというのか」と反論した。イランは「追加議定書についてNPTには記述がない」などと激しい口調で反発した。

 第2委の議長は、各国の意見をふまえて20日にも素案の改訂版を出す方針。しかし国連安全保障理事会でイランへの追加制裁決議が採択される見通しとなったことなども絡み、どう決着するかは不透明だ。

 一方、核軍縮に関する第1委は、非公開の小委員会で素案を議論した。出席者によると、核廃絶への行程表や、核兵器禁止条約に関する行動計画への批判が核保有国から相次いだという。

(2010年5月20日朝刊掲載)

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