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平和・希望の花 カンナ広がれ 豊岡市の児童 本川小で球根譲り受け

■記者 小林可奈

 兵庫県豊岡市の小坂小と小野小の児童が20日、広島市中区の本川小の校庭を訪れ、カンナの球根を譲り受けた。原爆投下から約1カ月後の廃虚に咲いたカンナを希望の象徴として育てる。

 修学旅行中の6年生計37人が立ち寄り、長さ約5センチの球根60個を花壇から掘り起こした。小坂小の山下春香さん(11)は「広島から持ち帰ったカンナが、どのように咲くのか観察したい」と喜んだ。

 カンナは、東京在住の浄瑠璃作家橘凛保(りほ)さんが代表を務める「平和カンナ・プロジェクト」の依頼を受け、本川小が栽培している。この日は橘さんも駆けつけた。

 橘さんは2004年、中区の原爆資料館で、廃虚に咲くカンナの写真に感銘を受け、劇を創作。2008年から、劇を上演した小学校など広島市内の計11校にカンナを植えている。広島市以外でも、大阪や沖縄など1都1府5県で栽培されている。

 6月には、廿日市市と観光友好都市提携するフランス西部のモン・サン・ミシェルに球根を届ける。橘さんは「カンナを平和のバトンとしてつないでいきたい」と意気込んでいる。

(2010年5月21日朝刊掲載)

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