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■記者　増田咲子

　広島市中区の平和記念公園で２１日、原爆慰霊碑に納められている原爆死没者名簿を外気に当てて劣化を防ぐ「風通し」があった。

　慰霊碑下の石室から１年ぶりに取り出され、碑の前にずらりと並べられたのは広島で被爆した２６万３９４５人の名簿９５冊。加えて昨夏に遺族の希望で初めて納められた、長崎の４人分の１冊も初夏の日を浴びた。

　市職員ら１８人は原爆投下時刻の８時１５分に黙とう。白い布の上に正座し、約２時間かけて一枚ずつ丁寧にめくって傷みを確認した。異常はなかったという。

　広島市は６月中旬から、昨年８月以降亡くなったり、新たに死亡を確認したりした被爆者の名前を追加記載し、８月６日の平和記念式典で慰霊碑に納める。

（２０１０年５月２２日朝刊掲載）

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