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原爆症認定基準見直しへ折り鶴20万羽 広島に全国から届く

■記者 森田裕美、川崎崇史

 原爆症認定基準の抜本的な見直しを願い、全国の市民が作った折り鶴約20万羽が、被爆地、広島に届いた。広島高裁や地裁で争う原爆症認定集団訴訟の支援者らは16日、中区の平和記念公園にある原爆の子の像にささげた。ヤマ場を迎えている国の見直しが被爆者の実情に沿った内容になるよう街頭署名も集める。

 段ボール25箱分の折り鶴は昨年10月、全国の若者らが集め始めた。12月、東京に集まった集団訴訟の原告たちはこの折り鶴を手に、厚生労働省を取り囲み、早期決着を訴えた。

 国の認定基準見直し作業が大詰めを迎える中、原点である広島からあらためて「二度と被爆者をつくってはならない」との市民の声を伝えようと、広島の支援者のもとに届けられた。

 16日には、約40人が像の前で集会を開き、23都道府県の約300人が国を相手に続けている訴訟の状況を報告。続いて被爆者の実状に合った基準見直しを求める決意を表明し、折り鶴をささげた。

 支援団体の一つ、広島県原水協の松本真事務局長(61)は「全国の市民の平和への願いが詰まっている。ヒロシマから発信したい」と色とりどりの折り鶴を見つめていた。

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