×

ニュース

行動計画案の期限削除に批判噴出 NPT会議

■記者 金崎由美(ニューヨーク発)

 米ニューヨークの国連本部で開かれている核拡散防止条約(NPT)再検討会議は20日、核軍縮の行動計画案から期限設定を削除した修正案が前日に提示されたことに批判が噴出した。

 核軍縮の行動計画を担当する第1委員会の小委員会は非公開で開催。出席者によると、核兵器廃絶への行程表について話し合う2014年の国際会議開催などが削除されたことに、非同盟諸国(NAM)が「これでは意味がない」などと反発した結果、小委議長が修正案を見直し、21日朝に再修正案を提示することになった。

 一方、核兵器保有国は、非核保有国に核兵器を使用しないという消極的安全保障を「無条件かつ法的拘束力を持つ」とした修正案に対し、イランの核開発疑惑を念頭に強い難色を示しているという。

 この日は、第1委員会の合意文書案のうち条文ごとの運用状況を点検した部分の修正案と、第2委員会の合意文書案のうち中東問題を除いた部分の修正案も、各議長から提示された。

 再検討会議の委員会審議は21日がヤマ場。これを受けて来週、三つの委員会の合意文書案を一本化し、全会一致での採択を目指す交渉が本格化する。

(2010年5月22日朝刊掲載)

関連記事
NPT会議 目標年次を削除 小委員会議長が合意文書修正案(10年5月21日)
素案協議 対立が表面化 NPT会議(10年5月20日)
NPT会議 後半入り 「素案」基に議論本格化へ(10年5月18日)

年別アーカイブ