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原爆症在外申請 初の書類を発送 広島市 米の男性分 厚労省へ

■記者 増田咲子

 在外被爆者の原爆症認定申請の来日要件が4月1日に撤廃され、居住する国の大使館などを通じてできるようになったのを受け、広島市は24日、市に初めて届いた米国の被爆者の申請書類を厚生労働省に送った。

 市援護課によると、ロサンゼルス在住の男性(67)の認定申請書や医師の意見書は4月28日、在ロサンゼルス日本総領事館から外務省経由で届いた。この日は被爆状況を記した被爆者健康手帳申請書の写しを添え、厚労省に発送した。認定の可否は同省の審査会が判断し、認められれば医療特別手当として月約13万7千円が支給される。

 市にはこのほか、米国や韓国から6件の申請書が届いており順次発送する。また厚労省によると、既に長崎市を通じた米国と韓国からの2件、広島県を通じた韓国の1件を受理しているという。

 一方この日、在韓被爆者渡日治療広島委員会の招きで訪れている全羅北道益山市の柳秉善(リュウビョンソン)さん(77)と全羅北道群山市の鄭大一(チョンデイル)さん(73)が原爆症認定の申請手続きに広島市役所を訪れた。

 同席した同委の金信煥(キムシンファン)代表幹事(78)によると、韓国の医療機関では原爆に起因する病気かどうかを判断できない場合もあり、2人は広島の病院で医師の意見書を書いてもらった。「治療も申請も広島に来なければ難しいケースがある」と、課題を指摘している。

(2010年5月25日朝刊掲載)

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