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「黒い雨」健康追跡調査へ 連絡協

■記者 明知隼二

 広島県「黒い雨」原爆被害者の会連絡協議会(高野正明会長)は近く、原爆投下直後に降った「黒い雨」体験者の健康追跡調査をする。対象は2005年の健康調査に応じた約250人。病状の変化などの実態を把握し、降雨指定地域の拡大につなげるのが狙い。

 調査地域は、黒い雨が降ったとの証言がありながら、国の指定地域(大雨地域)から大部分が外れている広島市佐伯区、安佐北区、安芸太田町、北広島町。面談などで雨を浴びた場所と、肝臓や循環器の機能障害などの有無を中心に調べる。

 信頼性を高めるため、調査項目の精査などで医療関係者とも協力。8月上旬までに調査結果をまとめ、広島県と広島市に提出する方針だ。

 牧野一見事務局長は「高齢化が進み、体験者の健康状態は悪化していると考えられる。最新の状態を把握し、指定地域の拡大につなげたい」としている。

 指定地域は「健康診断特例区域」とされ、国が定める疾病を患っていることが分かれば、被爆者健康手帳を取得できる。

(2010年5月25日朝刊掲載)

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