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被爆の実態学ぶ エノラ・ゲイ離陸のテニアン市長ら

■記者 明知隼二、増田咲子

 原爆を投下した米軍B29爆撃機エノラ・ゲイ号が飛び立った太平洋北マリアナ諸島(米自治領)テニアン市のラモン・デラクルズ市長ら9人が25日、広島市中区の原爆資料館を訪れ、被爆の実態に触れた。

 前田耕一郎館長の案内で見学。被爆して廃虚となった市中心部の模型などの展示を見ながら、残留放射線の影響などについて熱心に質問していた。デラクルズ市長は「私の古里からこのような恐怖がもたらされたと知り、とても悲しい。世界の指導者はこの恐怖を知るべきだ」と沈痛な面持ちで語った。

 また米軍普天間飛行場の移設先として受け入れに前向きな姿勢を示していることについて「最終的には米政府に任せることであり発言する立場にない」とした。この日は、インドネシアのユスフ・アンワル駐日大使も原爆資料館を視察。時折涙をぬぐいながら、被爆資料に見入っていた。

(2010年5月26日朝刊掲載)

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