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黒い雨解明へ 床下の土採取 広島で原医研の星教授ら

■記者 明知隼二

 広島大原爆放射線医科学研究所(原医研)の星正治教授たちが26日、広島市安佐北区の民家で床下の土を採取した。被爆直後に降った「黒い雨」に関係する放射性物質の有無を調べ、降雨エリアの解明につなげるのが狙い。

 星教授たち4人が爆心地の北約15キロにあたる安佐町毛木の大雨地域外の民家を訪問。長さ30センチの金属製の筒を床下の地面に打ち込み、土を取った。年内をめどに、核分裂生成物のセシウム137があるかを調べる。

 星教授らは2008年から調査を開始。戦後の核実験の影響を避けるため、1945~48年末に建てられた民家15カ所の土の分析を進めている。これまでに結果の出た7カ所のうち3カ所では、黒い雨による放射線量が、通常の年間被曝(ひばく)線量限度の約10~60倍にあたる10~60ミリグレイと推計できるなど高い値を示した。

 星教授は引き続き床下の土を提供してくれる人を探している。Tel082(257)5872。

(2010年5月27日朝刊掲載)

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