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南京大虐殺テーマに組曲 平和築く大切さを訴え 広島・呉の合唱団

■記者 馬上稔子

 広島、呉の両市の愛好家でつくる合唱団「エガンス」は12日午後5時から、広島市中区の県民文化センターで、中国の南京大虐殺をテーマにした組曲「紫金草物語」を広島で初披露する。

 東京都の元教員女性が実話に基づいて創作した。内容は大虐殺を生き延びた少女から日本人兵士が紫金草(ムラサキハナナ)の花をもらう。帰国後、加害者の苦悩を抱えながら平和を願い、種を全国に広める姿を歌う。

 全国の愛好家が集まり、9年前から計6回にわたり中国の南京と北京で組曲を披露した。それに参加したエガンスメンバーの提案で、今回の上演が実現した。月2回のペースで練習を重ねている。

 当日は、エガンスの約35人、他の広島市内三つの合唱団メンバー約30人、東京都や石川県など5都府県の組曲の賛同者約40人が、舞台に立つ。被爆者の久保美津子代表(81)=呉市=は「南京は被爆地と同じ戦争の痛みを抱える。恨みを乗り越えて平和を築く大切さを訴えたい」と話している。一般2千円、小中学生千円。事務局Tel090(7999)7447。

(2010年6月1日朝刊掲載)

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