×

ニュース

広島市立大院生ら制作 被爆者肖像画 英で8月展示

■記者 明知隼二

 広島市安佐南区、市立大大学院芸術学研究科の院生や教員が描いた被爆者の肖像画が8月5日から、英ロンドン大内のギャラリーで展示される。被爆65年にちなんで枚数も、10月8日までの会期日数も65。被爆証言会や、原爆投下時刻の8月6日午前8時15分(現地時間午前0時15分)に合わせた追悼セレモニーも計画している。

 展示会は英語で「光 被爆者の肖像」のタイトル。同研究科は被爆の歴史に向き合おうと2004年から、延べ51人が100点の肖像画を完成させており、05年に同大で実物を見た英キングストン大のポール・スタフォード教授が仲介し、初の海外展が決まった。

 香川県出身で初めて被爆者に向き合った博士課程2年長坂誠さん(28)は「原爆の悲惨さ以上に、戦後を生き抜いた強さを物語る瞳が印象に残った。被爆者が悲しみを胸に、必死に生き抜いてきた事実を受け止めてほしい」と、核保有国英国での展示に期待する。

 10月には、市立大広島平和研究所の水本和実教授たち3人が現地のギャラリーで、肖像画の意義などをテーマにした講義も予定している。

(2010年6月2日朝刊掲載)

年別アーカイブ