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一筆一筆 核廃絶の願い 原爆死没者記帳始まる 広島

■記者 明知隼二

 被爆65年を迎える8月6日に、広島市中区の原爆慰霊碑に納める原爆死没者名簿の記帳が14日、始まった。昨年夏以降に亡くなったり、新たに死亡が確認されたりした被爆者は11日現在で2716人。8月5日まで記帳申請を受け付ける。

 中区の市役所会議室で、ともに被爆者の元市職員池亀和子さん(68)=南区=と中本信子さん(67)=同=が毛筆で一人一人、丁寧に死没者の名前、死亡年月日、死没時の年齢を書き加えていった。

 家族を捜して入市被爆した中本さんは「今なお多くの方が亡くなっている。65年の節目で(核兵器廃絶に向けた)盛り上がりもある。原爆は造っても使ってもいけないと知ってほしい」と、記帳に込める願いを語っていた。今後は自宅などで続ける。

 昨年までに広島で被爆した人の名簿は26万3945人、95冊に達している。記載申請は市原爆被害対策部調査課Tel082(504)2191。

(2010年6月15日朝刊掲載)

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