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タイでポスター展 ボランティアの佐藤さん 被爆直後の街や市民30枚

■記者 小林可奈

 タイの農村で井戸掘りなどのボランティア活動をしている広島市のNPO法人「タイ国ナポ村日本広水会」の佐藤優理事長(63)=東区若草町=がこのほど、現地の学校で初めて原爆展を開いた。「非常に関心が高かった」と手応えを感じた佐藤さんは、7月にも現地で原爆展を開く。

 佐藤さんは5月17~23日、タイ東北部ブリラム県ナポ市を訪問。郊外の小、中学校2校の食堂などで、被爆直後の街や傷ついた市民の姿を写したポスター約30枚を展示した。海外視察で同行した市議が、親族の被爆の様子などを伝えた。

 佐藤さんは「被爆の話を聞く時の子どもたちの熱心さに驚いた」と振り返る。7月には別の小、中学校2校で原爆展を開くことを決めた。ブリラム県は、訪問が縁で平和市長会議(会長・秋葉忠利広島市長)に加わった。

 広水会は1998年から毎年、メンバーがナポ市を訪れている。ボーリング業界で働いていた佐藤さんが現地の業者を指導、水不足の集落や学校に井戸を10カ所以上掘った。図書館を造ったり、文房具を贈ったりもしている。

(2010年6月16日朝刊掲載)

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