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NPT後の核軍縮探る 東京で平和学会研究大会

■記者 岡田浩平

 「核なき世界」をテーマにした日本平和学会の研究大会が19日、東京都内で始まった。初日の部会では、5月の核拡散防止条約(NPT)再検討会議を受けた核軍縮の方向性について研究者たちが討論した。

 一橋大の秋山信将准教授(国際政治学)は、NPT会議の最終文書が核兵器の非人道性に触れた点を評価。多国間の軍縮交渉に向けて「核保有国間で安全保障上、核兵器は不要という共通理解を深め、人道的側面から核兵器は使用可能なのか議論を突き詰める必要がある」と指摘した。

 非政府組織(NGO)ピースボートの川崎哲共同代表は、潘基文(バンキムン)国連事務総長の提案に関連して核兵器禁止条約の交渉検討が最終文書に盛り込まれた点を重視し「8月の事務総長の広島訪問を機に提案を具体化させるよう市民社会も動かねば」と強調した。

 東京大大学院の木宮正史准教授(韓国政治外交)は、北朝鮮の核放棄を導くため同国の安全を保障することが重要だとした。この日はほかに平和教育など八つの分科会もあった。大会は20日もある。

(2010年6月20日朝刊掲載)

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