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「核拡散に手貸す」 広島で批判相次ぐ

■記者 金崎由美、林淳一郎、新田葉子

 日本政府が25日、NPT未加盟で核兵器を保有するインドと原子力協定を結ぶ方針を示したことに、広島では「理解できない」「核兵器廃絶の訴えは口先だけか」と批判が相次いだ。

 広島県被団協の坪井直理事長(85)は「インドは世界のルールに反して核兵器保有宣言をした国だ。日本はインドをNPT体制に組み込む努力をするのが本筋」。もう一つの県被団協の金子一士理事長(84)も「口先だけ核兵器廃絶を唱えて行動では核を認める政府の姿勢が目立つ」と憤る。

 核兵器廃絶をめざすヒロシマの会の森滝春子共同代表(71)は「被爆国の責任を放棄して経済的利益を優先するのは、被爆地に対する裏切りだ。自らが核拡散に手を貸すようなもの」と反発している。

(2010年6月26日朝刊掲載)

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