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3.11とヒロシマ

福島大に希望の苗 広島大大学院生の「返礼」が縁

 福島市の福島大に米国ノースカロライナ大から「友情と支援の印」としてイエローポプラの苗木が贈られた。きっかけになったのは、広島大大学院生の嘉陽礼文(かよう・れぶん)さん(33)=広島市西区=だ。原爆投下後、広島大に本や木を贈って支援した海外21大に2月、被爆瓦を送ったところ、ノースカロライナ大副学長が感激。今度は福島大にメッセージを添えてプレゼントした。

 届いたのは、高さ約2メートルの苗木と、ノースカロライナ州の歴史書、百科事典の計2冊。2日に大学構内に植樹し、本は大学図書館で貸し出している。

 ノースカロライナ大は1951年、原爆で壊滅的被害を受けた広島大を、米国や欧州の他大学とともに支援。それを知った嘉陽さんが2月に「返礼」として被爆瓦を送った。それから間もなく、福島第1原発事故が発生。ノースカロライナ大副学長は復興策を研究する福島大に寄贈を決めたという。

 広島大と福島大は放射線対策の研究などで7月に連携協定を締結している。福島大学生課のウィリアム・マクマイケル副課長(29)は「被爆から復興した広島を励みに、福島も頑張りたい」と話した。(下久保聖司)

(2011年11月11日朝刊掲載)

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