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広島大、平和構築へ新事業 海外の平和活動を支援

■記者 新谷枝里子

 広島大は29日、国際支援の専門機関と協力して海外の平和活動を支援する「平和構築連携融合事業」の開始記念式典を、東広島市のキャンパスで開いた。世界初の被爆都市ヒロシマでの建学精神に基づく事業で、対話や人材交流で道筋を探る。

 連携するのは、国連訓練調査研究所(ユニタール)広島事務所、国際協力機構(JICA)、日本貿易振興機構(ジェトロ)アジア経済研究所。広島大の計画では、紛争や内戦を抱えるネパールやコスタリカなどでの取り組みを想定している。

 現地活動として、研究者や学生を派遣する海外事務所を数カ所に設置する予定。内戦からの復興途上にあるネパールには9月に開設して、憲法制定の住民参加などを支援する。

 広島大には、政府、反政府など対立する双方の当事者を招く。対話の機会を設け、世界中の紛争、内戦の状況を伝え、ヒロシマの原爆の惨状についても知ってもらう予定だ。

 広島大の研究者や学生にとっては、世界の状況を把握し、ユニタールなど専門機関との連携や情報交換をする機会にもなる。

 開始記念式典には、学生たち約60人が出席。広島大の山根八洲男副学長が「広島が世界の平和の発信地になるよう全力を尽くしたい」と述べた。

(2010年6月30日朝刊掲載)

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