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運行支えた女学生の奮闘 被爆電車で再現

■記者 増田咲子

 原爆投下前後に路面電車の運行を支えた女学生を描いた演劇「桃の実」の上演が3日、広島市内を走る被爆電車内であった。観客は65年前にタイムスリップし、少女たちの青春に触れた。

 東京の劇団「モケレンベンベ・プロジェクト」の5人が出演。戦時下の労働力を補うため車掌や運転士を務めた14、15歳の少女を演じた。原爆で負傷した人を救護し、電車の復旧に尽くした姿も表現した。

 広電本社前を出発し横川駅で折り返すコースで2回公演。午前の部には約20人の観客が乗り込んだ。車掌などをした当時の女学生の一人、島根県邑南町の東アサコさん(81)は「あの日がよみがえってきた。生き地獄は忘れられない」と涙しながら見入っていた。

 4日も午前11時と午後2時から公演がある。2500円(高校生以下1500円)。要予約。光藤さんTel090(8602)4460。

(2010年7月4日朝刊掲載)

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