×

ニュース

被爆体験 油絵で継承 基町高生徒 証言者招き9枚披露

■記者 金崎由美

 広島市中区、基町高の創造表現コース2、3年生9人が被爆者から体験を聞き取って描いた油絵9枚が完成し5日、被爆者3人を招いて披露した。

 生徒は3人ずつに分かれ、梶本淑子さん(79)=西区、寺前妙子さん(79)=安佐南区、渡辺美代子さん(80)=西区=と5、6回面会。当時の様子を聞きながら作品を仕上げた。

 梶本さんが目の当たりにした、黒こげの赤ちゃんを抱く母親を描いた3年平野弘美さん(17)は「体験していない事を正確に表現できるか不安だったが、つらい質問にも答えてもらって完成できた」。

 逃げる自分を懸命に励ます学校の担任を描いてもらった寺前さんは「先生と65年ぶりに再会できた。本当によく描いてくれました」と喜んでいた。

 事業は被爆体験の継承と証言活動への活用を目的に、原爆資料館(中区)が2004年度から続けている。

(2010年7月6日朝刊掲載)

関連記事
被爆証言を聞き あの日を油絵に 基町高生(09年7月 8日)

年別アーカイブ