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817人分遺骨「遺族待つ」 広島市が原爆供養塔名簿を全国発送

■記者 増田咲子

 広島市は9日、平和記念公園(中区)の原爆供養塔に納められている原爆死没者の遺骨のうち、名前が分かっていながら遺族が見つかっていない817人分の名簿を全国の自治体など1975カ所に発送した。16日から10月末まで庁舎などに掲示してもらい、名乗り出る遺族を待つ。

 「遺族を捜しています」と書かれた名簿は縦約1メートル、横0・7メートル。五十音順に名前を記し、住所や年齢など分かる範囲の手掛かりも載せている。この日は、市役所(中区)の一室で市職員3人が名簿を封筒に入れていき、すべて郵送した。

 市は1968年から名簿を公開。69年度には150人の遺骨の引き取りがあったが、2006年度からは約4年で計3人と低迷している。

 市原爆被害対策部調査課の漆原正浩課長は「可能性がある限り、遺族の元に一人でも多く返してあげたい」と話していた。

(2010年7月10日朝刊掲載)

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