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元日米軍人が核廃絶の誓い 6日 最後の交流ソフト大会 高齢化で組織衣替え

 日米両国の元軍人グループが6日、広島市中区の本川小で友好ソフトボール大会を開く。2007年から交流を続けてきたが、メンバーの高齢化に伴い、今回が最後となる。会は解散せずに核兵器廃絶を目指す組織に衣替えし、今後はそれぞれの国で活動する。(藤村潤平)

 大会に先立ち、元軍人や家族たち計約30人が4日、東京都内で懇談した。大会実行委員長で、元民主党衆院議員の渡辺嘉蔵さん(88)=岐阜市=が「これまでの友好を一歩進めて、核兵器のない世界に向けて闘おう」と提案。米国側からは「具体的にどう実現するのか」との声も上がったが、若い世代を巻き込んだ活動の必要性で一致した。

 現在のグループの名称は「原爆のない地球をつくる会」。これを「核廃絶の元軍人の会」か「核廃絶の平和な地球をつくる会」に改称する。メンバーの平均年齢が90歳近いため相互訪問といった交流は控える。しかし、核兵器のない世界の実現に向けて、それぞれの国で戦争の悲惨さなどを伝え、個人の人脈を通じて賛同の輪を広げることを申し合わせた。

 友好ソフトボール大会は07年、米国側の呼び掛けで始まった。最初の大会は旧日本軍が奇襲した米ハワイ州・真珠湾近郊。09年には被爆地広島で試合を開き、親睦を深めた。

 同年にメンバーが約300万円を寄付し、試合会場の本川小にベンチ型の「日米不再戦誓の碑」を建てた。

(2014年4月5日朝刊掲載)

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