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峠三吉らの詩誌 寄贈の女性見学 広島

 原爆詩人峠三吉(1917~53年)と共に活動した広島市出身の詩人増岡敏和さん(2010年に81歳で死去)の妻頼子さん(78)=東京都清瀬市=が、中区の原爆資料館を訪れ、開催中の資料展「峠三吉と『われらの詩(うた)』」を見学した。1月に広島文学資料保全の会を通じて、同館に寄贈した資料と再会した。

 寄贈資料は、広島の文芸愛好家の若者らの寄稿で構成した詩誌「われらの詩」全号計19冊。峠を中心に、49~53年に発行された。

 58年に夫婦で東京に移った頼子さんは「これは大事なものだから絶対ばらばらにしては困ると夫に言われていた」と振り返る。詩誌に残る二つの穴は、頼子さんが千枚通しで開け、ひもを通した痕という。

 「どうしても展示を見ておきたかった。きちょうめんだった夫の資料が大切にされ、広島で多くの人に見てもらえ、とてもうれしい」とほっとした表情を浮かべていた。資料展は14日まで。(森田裕美)

(2014年4月7日朝刊掲載)

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