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原爆ドーム石引き上げ 被爆の重み ずしり230キロ

■記者 金崎由美

 広島市中区にあった旧広島県産業奨励館(現原爆ドーム)5階のバルコニーの一部とみられる御影石4本が12日、近くの本川小6年生によって元安川左岸から引き上げられた。被爆時の衝撃で崩れ落ち、戦後に何らかの理由で川岸に下ろされたとみられる。

 約30センチ四方の柱状が2本あり、それぞれ長さ70センチと約40センチ。長い方は重さ約230キロもある。残り2本はL字形で、バルコニー部分ではない可能性があるという。

 児童は、大人の手を借りながら鎖と鉄パイプを使って石を持ち上げ、石段をゆっくりと運んだ。ドーム前まで上げ、付着した泥やコケを洗い流した。

 堂前直哉君(11)は「重くてびっくりした」。小橋哉太君(11)は「それだけ原爆の爆風がものすごかったんだ」と話していた。

 被爆した御影石は、広島県立美術館で8月5日~9月20日にある被爆65年企画「廣島から広島 ドームが見つめ続けた街」展で披露される。

(2010年7月13日朝刊掲載)

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