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広島市 平和宣言テーマ 「次世代に託したいこと」

 広島市は8日、松井一実市長が8月6日の平和記念式典で読み上げる平和宣言の文案を検討する「被爆体験に関する懇談会」の初会合を市役所で開いた。ことしは「自らの被爆体験に照らし、次世代に託したいこと」を盛り込んだ被爆者の体験談を募り、宣言に引用する方針を決めた。5月1日に公募を始める。

 広島県被団協の坪井直理事長、原爆資料館の志賀賢治館長たち全委員9人が出席。松井市長はあいさつで、2011年4月の就任から3度の平和宣言に体験談を引用してきた経緯に触れ「平和宣言は核兵器廃絶の世論を広げる原点になる。4回を通じて、しっかり被爆の実相を伝える力にしたい」と話した。

 体験談は1、2回目は被爆の惨状、3回目は戦後の苦しみや復興をテーマに募集した。

 会議は冒頭を除き、非公開。市によると、松井市長は「絶望や憎しみを乗り越え、未来を見据えて核兵器廃絶を願う被爆者の姿」を提案した。ただ委員から「絞り込むと書きにくい」との意見があり、やや広げることにしたという。

 また松井市長は終了後、核兵器を持たない12カ国でつくる「軍縮・不拡散イニシアチブ(NPDI)」が今月11、12の両日に市内で開く外相会合の成果も盛り込む方針を示した。懇談会は全3回を予定。次回は7月上旬に開き、寄せられた体験談から絞り込んでいく。(田中美千子)

(2014年4月9日朝刊掲載)

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