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ヒロシマ発 平和の歌 1100番超え「成長」

■記者 見田 崇志

 平和を願う歌詞が世界中から投稿されている歌「ねがい」が1100番を超えて成長し続けている。2002年に広島市内の中学校の平和学習を基に4番までを完成。それを知った神戸市のNPO法人が「5番目」の歌詞を募ったところ、日本をはじめ米国、イラン、ケニアなど約30カ国・地域から歌詞が届き、昨年12月末までに1170番までが作られた。これに触発されたアーティストの石井竜也さん(48)が作った歌を、広島市内の中学生が合唱するなど「ねがい」を通じた交流もエンドレスだ。

 「もしも武器じゃなくて 楽器を手にできたら…きっと世界中の 人の気持ちが癒やされて やすらぐだろう」(682番)など、思い思いの平和へのアプローチがつづられている。

 石井さんが曲を手掛けたのは2006年末に、中国新聞「ひろしま国 10代がつくる平和新聞」の子ども記者の取材を受けたことがきっかけ。「後に続くメロディーをつくりたい」として昨年4月に新曲「遠い出来事」を発表した。

 「ねがい」の歌づくりを発案した横山基晴教諭(48)が勤める宇品中(広島市南区)は、昨年12月21日の全校イベントで生徒36人が「遠い出来事」を合唱。8月に同中を訪れた石井さんに歌い方をアドバイスしてもらい、歌を披露した思い出を振り返った。

 2年生の麻生莉加さん(13)は「平和への思いが石井さんに伝わるように、しっかり歌えた」と手応えを語る。イベントを録画した映像を今月石井さんに送る。

 横山教諭は「自分なりに平和を表現し、発信することが大切」と話し、歌の成長を喜んでいる。

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