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「核兵器NO」市民も行動 NPDI外相会合開幕 広島大の鎌田名誉教授講演

 軍縮・不拡散イニシアチブ(NPDI)外相会合に合わせ、広島市内では11日、市民主体の催しも始まった。非政府組織(NGO)などによる勉強会では、専門家が医学的な視点で核兵器の「非人道性」を解説。官民の団体も続々と広島入りする外相を出迎え、被爆地での活発な議論に期待を寄せた。(加納亜弥)

 中区のまちづくり市民交流プラザでは、市民約100人を前に、被爆者医療に詳しい鎌田七男広島大名誉教授が講演した。核兵器が非人道的とされる理由を「身体的、精神的、社会的な苦痛を招く」と強調。がんやケロイドなど身体への影響に加え、遺伝への不安や生き残ったことへの罪悪感など深刻なトラウマも引き起こすと説明した。

 爆心地から1キロ以内で被爆し、家族との死別や病気、貧困に苦しめられた複数の患者の生涯も紹介。「被爆者の一生を継続的にみると、どれだけ核兵器が非人道的かが分かる」と訴えた。岩国市の赤松敦子さん(48)は「原爆被害は学んできたが、今も何重もの要素に苦しめられている被爆の実態は初めて知った」と話した。

 この日は午前から、会合に出席する外相たちがJR広島駅(南区)などに相次ぎ到着。広島県や市、広島商工会議所でつくるNPDI外相会合支援推進協議会のメンバーが、英語で「広島へようこそ」と書いた横断幕を掲げ、国旗の小旗を振って歓迎した。

(2014年4月12日朝刊掲載)

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