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社説・コラム

『きらり人』 ヒロシマ・ピース・ボランティアを続ける 横山恵子さん

横山恵子さん(65)=岩国市川西

戦争知る父の言葉胸に

 「原爆がいかにむごいかを伝えたい」。2009年9月、原爆資料館(広島市中区)を案内するヒロシマ・ピース・ボランティアになり、毎月2回、資料館に通っている。

 新聞でボランティアの存在を知り、応募した。動機は、「戦争はあってはいけない」という亡き父の言葉が胸にあったから。父は、徴兵で中国戦線に送られ、約3年を過ごしたという。

 原爆関係の本や新聞記事を読むなど、ガイドのための研さんを積んでいる。岩国市内の被爆者の女性に証言を聞かせてもらったこともある。60年以上たっても健康に不安を抱える被爆者の現実を突きつけられ、「原爆による苦しみは一生続く」と実感した。

 子どもへの案内も大切にしている。「戦争になると、家族との食事など当たり前の生活ができなくなる」と話し、平和の大切さを分かりやすく伝えるよう心掛けている。「少しでも長く活動を続けたい」(増田咲子)

(2014年4月10日朝刊掲載)

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