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IAEAとHICARE被曝者医療で協力

■記者 増田咲子

 広島県や広島市などでつくる放射線被曝(ひばく)者医療国際協力推進協議会(HICARE)と、国際原子力機関(IAEA)が、被曝者医療分野で協働する覚書を交わすことが16日分かった。8月6日にIAEA事務局長として初めて天野之弥氏が広島市の平和記念式典に出席。その後、両者が署名する。

 広島に蓄積された被爆者医療の経験が、国際機関の下で世界のヒバクシャ支援に生かされることになる。

 協力するのは、放射線の人体への影響についての共同研究、緊急時の放射線被曝者治療に関する情報交換、医師や研究者の研修をはじめとする人材育成―など。同日午後、中区の広島赤十字・原爆病院で署名する。HICAREは土肥博雄会長(広島赤十字・原爆病院長)が出席する。

 オーストリア・ウィーンに本部を置くIAEAは、原子力の平和利用と軍事転用の防止を担う「核の番人」。天野氏は外務省出身で昨年12月、エルバラダイ氏の後任としてアジアで初めて事務局長に就任した。

 IAEAは原子力事故などに備え6月18日、緊急時対応援助ネットワークとして広島大と、日本原子力研究開発機構(茨城県東海村)、放射線医学総合研究所(千葉市)の3機関を登録している。

(2010年7月19日朝刊掲載)

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