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独自に被爆二世手帳 広島県被爆二・三世の会 「継承者の自覚を」

■記者 明知隼二

 広島県被団協(金子一士理事長)に加盟している県被爆二・三世の会(尾野進会長)は、独自の「被爆二世手帳」を作成し、18日から配布を始めた。当面は会員の被爆2世約190人を対象とし、健康管理に役立てるとともに、2世としての意識を高めてもらう。

 A5判、14ページの冊子。両親の被爆状況や病歴、自身の健康状態を記録する欄を設けた。健康診断に関連する用語の解説や、東京都や神奈川県が独自に取り組む2世への医療費助成などの施策も紹介している。

 手帳は会が独自に発行し、健診や医療費助成などを受けることはできない。会の奥尾秀之事務局長(51)は「両親の被爆や自身の健康を見つめ、被爆体験や核兵器廃絶運動の継承者として自覚を高めてほしい」と発行の狙いを語る。

 東京都は2世に「健康診断受診票」を発行し、被爆者と同じ健康診断とがん検診が受けられるほか、医療費助成もある。広島県や広島市にはこうした独自の施策はなく、奥尾事務局長は「国は健診の充実や医療費の助成など、2世の健康不安に応えてほしい」と話している。

(2010年7月19日朝刊掲載)

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