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非核を祈る「平和の影」 被爆者撮影 作品化へ 広島

■記者 金崎由美

 被爆者の人影の撮影会が19日、広島市中区の原爆資料館であった。等身大に焼き付けた作品を「ピースシャドウ(平和の影)」と名付け、8月に市内で展示して核兵器のない世界の実現を訴える。

 印画紙の前で約3分間、被爆者に静止してもらい、強い光を当てて影を青く焼き付ける。この日は佐久間邦彦さん(65)=西区=ら被爆者14人が参加。インターネットで公開するため、被爆体験のインタビューも受けた。

 讃岐一枝さん(69)=南区=は「原爆の閃光(せんこう)を思い出し、つらい気持ちにもなりますが、若い人が核兵器廃絶を訴えることに協力したい」と話していた。20日も被爆者9人を写す。

 この取り組みは、長崎の原爆被害を記録した写真を見た東北芸術工科大の宮島達男副学長が着想した。広告会社のコピーライターやフリーカメラマンら首都圏の若者と、広島の市民団体「Yes!キャンペーン」が中心になって準備している。

 作品は8月3~7日、旧日本銀行広島支店(中区袋町)やNHK広島放送局(中区大手町2丁目)などで展示する。

(2010年7月20日朝刊掲載)

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