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原爆資料館 外国人 最多20万86人 13年度入館者 総数 2年連続増加

 広島市中区の原爆資料館の外国人入館者数が2013年度、過去最多の20万86人を記録した。海外からの旅行者が増える中、被爆の実態を学ぶ旅先として口コミでも高く評価されているのが要因とみられる。入館者総数も138万3129人で、前年度より10万2832人(8・0%)増。2年連続で伸びた。

 外国人の入館者は02年度に初めて10万人を突破。10年度は18万1847人を記録した。11年度に、東日本大震災や福島第1原発事故の影響でほぼ半減したが、12年度は15万4340人(前年度比59・9%増)と回復している。

 広島平和文化センターは「昨年1年間に日本を訪れた外国人旅行者が過去最多だったことが背景にある」と分析。世界最大の旅行口コミサイトがまとめた外国人に人気の国内観光地ランキングで2年連続1位になったのも追い風とみる。16日、スウェーデンから訪れた会社員カリーナ・ピーターソンさん(33)は「やけどを負った子どもたちの写真や遺品に心を揺り動かされた。みんな一度は来るべきだ」と涙をこぼした。

 一方、修学旅行など団体の小中学、高校生は31万5500人で前年度より1520人(0・5%)の微増。団体数は27減り4390だった。

 1955年に開館した原爆資料館はことし3月、最大規模の改修に着手。9月から東館を、16年度から本館を閉館して工事し18年度の全面オープンを目指す。市役所で記者会見した志賀賢治館長は「限られたスペースでも収蔵資料を効果的に配し、入館者が減らないよう努める」と話した。

 同じく平和記念公園内にある国立広島原爆死没者追悼平和祈念館の13年度の入館者数は21万4572人で、前年度より1万2767人(6・3%)増えた。(田中美千子)

(2014年4月17日朝刊掲載)

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