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独で原爆朗読劇 9月に故井上ひさしさん「口伝隊」

■記者 金崎由美

 広島市の姉妹都市ドイツ・ハノーバーにあるニーダーザクセン州立劇場で9月、専属俳優たちが故井上ひさしさんの朗読劇「少年口伝隊(くでんたい)一九四五」を上演する。唯一の日本人俳優原サチコさん(45)らが広島を訪れ、舞台演出用の映像として、被爆65年のヒロシマや被爆者を撮影している。

 劇は原爆投下後、中国新聞社がニュースを口伝えした逸話を基にしている。原さんによると、映像は65年前と現在を対比させる舞台演出として使うことを考えている。7月に広島市内で「口伝隊」を上演した山口望さん(40)=呉市=たちも案内などで協力している。

 21日は中区のお好み焼き店や平和記念公園などを撮影。公園内の広島国際会議場では、両市の姉妹都市提携に尽力した広島国際青少年協会の林寿彦総主事(79)とも面会した。

 神奈川県出身の原さんは、同劇場に採用された昨年8月からハノーバーに住み始め、広島との縁組を知って「口伝隊」上演を提案。11月には井上さんの親類を通して台本を手に入れるなど、準備を進めてきた。「広島出身ではないが、芝居で平和の普遍性を伝えるのが使命だと思っている」と話す。上演は9月18日から。

(2010年7月22日朝刊掲載)

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