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全米原爆展を開催中 米大統領選まで101都市予定

 原爆資料館(広島市中区)を運営する広島平和文化センターは昨年秋から「全米原爆展」を開いている。現地の市民団体と共同し、既にニューヨーク州ロチェスター市やコネチカット州ニューヘブン市など計6都市で終えており、今年末までに101都市での開催を目指す。

米大統領選を前に、核兵器廃絶に向けた世論を高めるのが狙い。開催を目指すのは全米50の州で各2都市ずつと首都ワシントン。6都市のほかこれまで30都市で目途が立っている。

 会場などで体験を語った被爆者岡田恵美子さん(71)=東区=と、米田進さん(67)=安佐南区、吉岡幸雄さん(78)=南区=は昨年11月8日、広島市役所で帰国報告。原爆投下に対する肯定論が根強く、被爆の実態がほとんど知られていないとして「伝え続ける重要性を痛感した」と述べた。

 岡田さんは10月15-23日にオハイオ州アライアンス市とイリノイ州シカゴ市の大学などで計4回、米田さんと吉岡さんは同23―31日、コロラド州デンバー市、ボルダー市の大学や教会で計9回、被爆直後の様子や原爆の後障害などを語った。

 3人は一方で希望も持てたと指摘。米田さんと吉岡さんは「核兵器の非人道性を理解し、考えを改める人もいた」。岡田さんも「証言の後で友人にヒロシマについて知らせたとか、どうすれば平和になるか真剣に考えたと話す学生がいた」と訪米の意義を強調した。

  センターは原爆展開催をPRする意見広告を米国の地方紙や大学新聞に掲載しており、その広告料として600万円を目標に募金を集めている。

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