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白島国民学校で被爆 同級生2人 喜びの同窓会

■記者 金崎由美

 1945年8月6日、爆心地から約1.5キロの白島国民学校(現広島市中区の白島小)で被爆した当時の5年生、八木義彦さん(76)=安佐南区=と岡野秀夫さん(75)=中区=が22日、65年ぶりに再会した。被爆後親類の家に身を寄せるなど白島と縁が切れ、自らを「学年で唯一の生き残り」と思っていた2人が、小さな「同窓会」で奇跡を喜び合った。

 「元気なうちに会えて良かった」「覚えている事をたくさん聞かせてください」。中区内で対面した2人は、被爆時の様子や同級生の記憶などを、約2時間語り合った。

 「爆風で崩れた校舎の2階に閉じ込められた。屋根の破れ目からはい上がって外へ出た」と八木さん。岡野さんも同じ状況で逃げたという。

 岡野さんは、2002年に設立100周年を迎えた白島小の記念誌で八木さんの手記を読み、同級生の生存を初めて知った。転校生だった岡野さんは3カ月間しか通学しなかったためか、お互いの記憶はないという。

 65年ぶりの再会は、小学校教諭を務める中で偶然2人を知った池田素美江さん(66)=東区=がおぜん立てした。八木さんと岡野さんは「今日の再会は一生忘れない」と声をそろえていた。

(2010年7月23日朝刊掲載)

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