×

ニュース

原爆症訴訟 国との協議で基準見直しを 原告・弁護団会議方針

■記者 岡田浩平

 原爆症認定集団訴訟の原告・弁護団の全国連絡会議が24日、東京都内であった。近畿地方の被爆者による提訴の動きについて協議した。新たな集団訴訟には取り組まず、国との協議で基準の見直しを迫る方針を確認した。

 近畿弁護団の尾藤広喜弁護士が「認定されるべき被爆者が切り捨てられている」として、主に今年却下された兵庫県などの7、8人が8月4日、大阪地裁に提訴する方針を報告した。

 訴訟を主導した日本被団協と国が昨年8月6日に交わした集団訴訟終結への確認書は、厚生労働相との定期協議の場で基準見直しを図る趣旨を記す。

 会議は、現時点では確認書を互いに守るべきだとの考えで一致。「第二の集団訴訟」を求める意見は出なかったが、却下が相次ぐ状況に個別の提訴は「やむなし」とした。広島と東京の被爆者が、新たな提訴を検討中であることも報告された。

 集団訴訟は2003年に始まり、2008年4月に基準の大幅緩和にこぎつけた。だが、昨年秋以降に却下処分が急増。昨年度は2189件に上った。厚労省は「事例が蓄積され審査を進めやすくなったため」と説明している。

(2010年7月25日朝刊掲載)

年別アーカイブ