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被爆直後のメモ 一節刻む 原民喜の追憶碑除幕 広島東照宮

■記者 新田葉子

 作家原民喜(1905~51年)の被爆直後のメモを刻んだ「原爆65周年追憶碑」が広島市東区、広島東照宮に完成し25日、除幕式があった。

 地元住民ら約60人が集まり、秋葉忠利市長たち関係者7人が除幕した。民喜のおい原時彦さん(75)=西区=も出席。被爆の翌7日にこの地で原爆被害の様子を手帳に記したことに触れ「被災時のノートは民喜の戦後文学の原点」と、碑建立に感謝した。久保田訓章宮司(78)も「思いを継承するよすがになれば」と喜んでいた。

 碑は御影石を使い、幅80センチ、高さ135センチ。「コハ今後生キノビテコノ有様ヲツタヘヨト天ノ命ナランカ」と自問する一節を彫り込んだ。秋葉市長の揮毫(きごう)。横には、メモの抜粋などを銘板で紹介している。

 石碑は、1年前に発足した関係者による建立委員会が準備を進めてきた。

(2010年7月26日朝刊掲載)

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