×

ニュース

平和市長会議加盟都市 1月中にも2000都市突破 核廃絶へ追い風 「2020ビジョン」賛同で急増 3年で3倍

■記者 森田 裕美

 平和市長会議(会長・秋葉忠利広島市長)の加盟都市数が1月中にも2000の大台を突破し、約2020都市に達する見込みとなった。3年間で3倍になるなど、急ピッチで加盟都市が増えている。平和市長会議は2020年までの核兵器廃絶のための緊急行動(2020ビジョン)を掲げており、核兵器廃絶への大きな追い風にしたい考えだ。

 12月現在、市長会議は126カ国・地域の1982都市で構成している。11月に秋葉市長が歴訪した北欧などの都市のまとまった加盟が見込まれ、1月中にも2020を超えそうだ。

 市長会議は1982年に広島、長崎両市長の呼びかけで「世界平和連帯都市市長会議」として発足した。90年に国連広報局の非政府組織(NGO)に登録され、2001年、「平和市長会議」に名称変更した。

 05年ごろから、欧米を中心に加盟都市は急激に増え始めた。03年に打ち出した2020ビジョンへの賛同が大きな理由と見られる。

 加盟都市には核保有国の都市も多い。米国は首都ワシントンは入っていないものの、国別で4番目に多く、ロサンゼルスなど114都市が加盟する。ほかの核保有国も、フランスはパリなど89、英国はロンドンなど45、ロシアはモスクワなど13、中国は北京など7、インドもデリーなど16など首都を含む多くの都市が参加している。

 このほか、ウガンダやイラク、パレスチナなど非政府組織(NGO)による自治体への働きかけが活発な国・地域の加盟も目立つ。

 市長会議は昨年(2007年)、核兵器廃絶に向けた取り組みをより積極的に展開するため、欧州を中心にしたキャンペーンを担う組織をベルギー・イーペル市に創設。都市や財団、企業などに活動経費の寄付を呼び掛けている。

核兵器廃絶のための緊急行動(2020ビジョン)

 世界の都市やNGO、市民が連携し、2020年までに核兵器廃絶を実現する緊急キャンペーン。平和市長会議が03年に提唱。10年の「核兵器禁止条約」発効に向け、5年ごとに開かれる核拡散防止条約(NPT)再検討会議を重要な節目と位置付け4段階の行動計画でキャンペーンを繰り広げている。08年5月からが第3期。

年別アーカイブ