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社説・コラム

知っちょる!?山口 来年夏の世界ジャンボリー 4年に1度 10代が交流

 来年7月28日~8月8日、山口市阿知須のきらら浜で、ボーイスカウトの世界大会「世界ジャンボリー」が開かれる。期間中、海外の人たち約3万人が県内外を訪れる。英語で話し掛けて友達をつくり、海外の踊りや食事を体験できる。(柳岡美緒)

 Q 世界ジャンボリーって何。

 A 世界スカウト機構(スイス)が1920年から、4年に1度開くボーイスカウトの世界大会。前回は2011年夏にスウェーデンであり、146の国と地域から大人を含めて約4万人が参加。キャンプをしながら環境や平和などの社会問題について学んだり、運動で北欧の自然を楽しんだりした。参加できるスカウトは14~17歳の中高生世代に限られている。日本で開かれるのは1971年に静岡県の朝霧高原であった大会以来44年ぶり2度目なんだ。

 Q 来年の世界ジャンボリーにはどれくらい人が来るのかな。  A 世界スカウト機構に加盟している日本を含めた162の国と地域のボーイスカウトに呼び掛けているところだよ。約2万4千人が参加し、大人も含めると約3万人に上る。呼び物の一つ、ピースプログラムは、参加者全員が広島市に行き、原爆資料館などで学習。平和について世界の情勢や自分の考えを語り合う機会にしてもらう。来年は原爆が投下されて70年という節目であり、大会の山口開催が決まった背景の一つになったよ。

 Q ボーイスカウトってどんなことをするの。

 A ボーイスカウトは、1907年に英国で始まった野外活動を通じた教育だよ。08年には日本に伝わっていたとされる。ロープの結び方や地図の読み方などを学び、長い休みの時にキャンプで実践。仲間と協力してテントを張り、食事を作って自然の中で遊ぶんだ。現在の活動には街頭での募金の呼び掛けや清掃も含まれていて、子どものたくましさや自主性を育て、立派な社会人にするのを目的としている。「ボーイ」と付いているけど、女性も参加できるよ。

 Q ところで、ボーイスカウト以外の人は、世界ジャンボリーに行けないの。

 A スカウト以外の人も楽しめるように県が大会期間中に「やまぐちジャンボリーフェスタ」を企画する。海外の文化が楽しめるステージや飲食店などがあり、スカウトが出入りするから交流もできる。昨年夏、きらら浜であったプレ大会では、各国が踊りを披露するアリーナショーや、参加国や日本の紹介、飲食店などのスペースに、事前に申し込んだ人は参加できたよ。連日取材に行ったけど、暑い中、みんな元気いっぱいだった。歌やゲームで言葉の壁を越えていた。

 Q きらら浜に行かないとスカウトと交流できないの。

 A もう一つの呼び物で、大会初の試みの地域プログラムで交流がもてるよ。参加スカウト全員が県内全19市町を訪れ、学校や企業、史跡などで県内の文化や産業を学ぶ。県全体に国際交流の輪が広がるんだ。この時、県教委が育てる「高校生語学ボランティア」が英語の通訳をして、みんなの会話を助けるよ。

<地域プログラムの主な日程(2015年)> 岩国市   8月3~6日
柳井市   8月1、6日
光市    8月4、6日
下松市   8月6日
周南市   7月31日
      8月3、5日
防府市   8月3~5日
山口市   8月1、3、4、6日
和木町   8月3日
周防大島町 7月31日
      8月1、5、6日
上関町   7月31日
田布施町  7月31日
平生町   7月31日

(2014年4月13日朝刊掲載)

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