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若き被爆画家の遺作展示 2人 各30点余 広島

■記者 道面雅量

 若くして亡くなった被爆画家2人の遺作を集めた展覧会が8月10日から、広島市中区袋町の旧日本銀行広島支店などで開かれる。戦没画学生慰霊美術館「無言館」(長野県上田市)が「被爆地での展示を」と企画した。

 広島で被爆した手島守之輔(享年31歳)と長崎で被爆した伊藤守正(同23歳)が残した各30点余り。8月10~17日と、9月2~14日の期間、被爆の痕跡を残す旧日銀の空間に並ぶ。合間の8月20~30日は、安佐南区の広島市立大芸術資料館で展示する。

 手島は竹原市出身で東京美術学校(現東京芸大)卒。郷里で美術教師をしていた1945年夏に召集されて被爆し、10日後に亡くなった。出展作は穏やかな海沿いの風景を描いた油絵などで、絵肌の美しさが際立つ。

 遺族から作品を寄託されている無言館の窪島誠一郎館主は「被爆地ではいっそうのメッセージ性を持つだろう」と話す。入場無料。9月下旬から長崎市にも巡回する予定。

(2010年7月28日朝刊掲載)

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