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原発事故退避 改修2施設公開 島根県

 島根県は24日、中国電力島根原子力発電所(松江市鹿島町)の事故時の安全な屋内退避を目指して改修した原発10キロ圏の2施設を報道陣に公開した。3月までに国の補助金約11億円を財源に6施設の改修を完了。本年度も約43億5千万円を投じ、10キロ圏の福祉施設や県庁計20カ所を改修する。

 原発から約5キロの介護老人福祉施設「ゆうなぎ苑」(同市島根町)では、外気中の放射性物質を取り除いて施設内に取り込む送風設備を設置した。取り込んだ外気は配管を通じ施設(鉄筋鉄骨平屋約2800平方メートル)内を循環させる。入所者50人が待機できる部屋は二重窓とし、出力90キロワットの非常用自家発電機も設けた。事業費は1億4700万円。

 入所者の約9割が車いす利用者だが、所有する福祉車両は6台。出羽雄二施設長は「長時間、室内で助けを待つ態勢は整った。車両をどう調達するかが課題」と話していた。

 県が事故時の対策拠点とする原発約9キロのオフサイトセンター(同市内中原町)の改修部分も公開した。(樋口浩二)

(2014年4月25日朝刊掲載)

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