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核兵器廃絶はみんなの課題 被爆者の松島さん 広島会議で体験語る

■記者 金崎由美

 28日開幕した2020核廃絶広島会議(主催・平和市長会議、広島市)で、被爆者の松島圭次郎さん(81)=佐伯区=が国内外からの出席者を前に被爆体験を語った。「核兵器廃絶は私たちすべての課題」との訴えに、出席者は大きな拍手で応えた。

 16歳のときに爆心地から約2キロの広島工業専門学校(現広島大)で被爆。「広島は復興して美しい街になったが、一度は焼け野原になったんです」と切り出した。

 「強烈な爆風、衝撃波、そして熱波というんでしょうか…。静かな夏の朝が一瞬で地獄と化した」。奇跡的に傷は負わなかったが、放射線の影響で高熱や下痢に苦しんだことを淡々と語った。

 「怒り、恨みは消えないが、原爆を投下した米国の人たちを責める気はない。一人でも多く広島を訪れて被爆の実態を学び、核兵器廃絶を私たちすべての課題とするべきだ」と訴えると、盛んな拍手がわき起こった。

 国連軍縮部のランディ・ライデル上級政務官(57)は「悲劇的な体験をしながら、核廃絶に取り組む姿に感動した」と話していた。

(2010年7月29日朝刊掲載)

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