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湯川博士の和歌題材 反核の遺志 歌い継ぐ

■記者 衣川圭

 ノーベル物理学賞受賞者の湯川秀樹博士が核兵器廃絶への願いを詠んだ和歌を使った合唱曲を歌い継ぐ広島市のNPO法人「シードオブピース」へ、湯川博士の遺族から激励の手紙が届いた。8月7日午後1時半から、広島市中区のゲバントホールである「平和への祈りコンサート」でも、20人で歌う。

 まがつびよ ふたたびここに くるなかれ―。この和歌が歌詞に使われている。法人の前身のメンバーは湯川博士とともに「戦争のない一つの世界」を目指す世界連邦運動に参加していた三木尹久子さん(79)=安佐南区=から2008年に曲を教わり、歌い始めた。

 三木さんを通じて活動を知った湯川博士の長男春洋さん(77)=京都市=と妻由規子さん(75)から手紙が届いたのは今月初めだった。「『核兵器のない平和な世界を!』と叫び続け、志半ばで亡くなった両親の思いが、広島で歌い継がれることを願ってやみません」とつづられていた。

 道田涼子理事長(35)=安佐南区=は「湯川博士の核兵器廃絶への強い祈りを、歌声で広げたい」と喜ぶ。安佐南区の安公民館での練習にも、ひと際熱が入っている。入場料2300円。Tel082(837)1446=白石さん。

(2010年7月29日朝刊掲載)

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