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核保有国の軍縮迫る ICJに提訴のマーシャル諸島外相 NPT準備委

 米ニューヨークの国連本部で開かれている核拡散防止条約(NPT)再検討会議の第3回準備委員会は28日、各国政府による「一般討論」が続いた。核兵器保有国の軍縮義務違反を確認する訴訟をオランダ・ハーグの国際司法裁判所(ICJ)に起こしたマーシャル諸島は「核兵器がいかなる状況でも使われないことが人類存続に寄与する」として、保有国の軍縮を強く迫った。 (ニューヨーク発 田中美千子)

 非政府組織(NGO)とともに訴訟を主導するトニー・デブルム外相が1954年、マグロ漁船第五福竜丸が被曝(ひばく)したビキニ水爆実験の閃光(せんこう)を目撃した体験を紹介。「核の脅威が忘れられてはいないか。法的義務はうわべだけの空虚な言葉でなく、最も重大な国家間の約束であるはずだ」と述べ、軍縮が停滞する現状を批判した。

 デブルム外相はこの後、NGOが国連本部で開いたパネル討議にも参加。各国の政府関係者たち約100人を前に「他の誰もが同じ苦しみを背負わないよう、人類の繁栄のために踏み切った」と訴訟の狙いを語った。中国新聞の取材に、「同じ痛みを知る広島の人たちが訴訟を支えてくれれば心強い。核兵器の非人道性を訴える取り組みも共に続けたい」と話した。

 準備委での一般討論ではほかに、エジプトやアイルランドの代表たちから核兵器の非合法化を訴える演説が相次いだ。

(2014年4月30日朝刊掲載)

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