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「絶対悪」核廃絶早期に 広島市長ら 世界に訴え NPT準備委

 米ニューヨークの国連本部で続く核拡散防止条約(NPT)再検討会議の第3回準備委員会は29日、非政府組織(NGO)セッションを開いた。平和首長会議会長を務める広島市の松井一実市長や、広島で被爆した日本被団協代表理事の山田玲子さん(80)=東京都豊島区=が被爆の惨状を伝え、一刻も早い核兵器廃絶へ各国が力を尽くすよう求めた。 (ニューヨーク発 田中美千子)

 松井市長は広島原爆について「爆心地の100メートル地点で致死量の60倍以上の放射線を人々に浴びせた」などと科学データを示して非人道性を強調。「被爆者は『絶対悪』である核兵器を為政者が二度と使わないよう廃絶に挑んでいるが、今も、私たちは核兵器の潜在的恐怖の下にいる」として、核兵器禁止条約の早期実現を後押しする決意を表明した。

 また被爆地訪問に意欲を示すオバマ米大統領の名を挙げ「被爆の実相に触れ、核兵器廃絶に向けた揺るぎない一歩を踏み出してほしい」と呼び掛けた。

 山田さんは11歳の時、広島市己斐町(現西区)で被爆した体験を語り「生きているうちに核兵器が禁止され、廃絶されることが被爆者の心からの願いだ」と訴えた。平和首長会議の副会長として登壇した長崎市の田上富久市長は核兵器保有国や「核の傘」の下にいる国が段階的な核軍縮を主張し、(核兵器禁止条約という)包括的アプローチを否定していると批判。「廃絶に向け、時間枠を伴う明確な工程表を作成し、確実に履行することが重要だ」とアピールした。

 NGOセッションは準備委の公式行事。NPT加盟各国の政府代表たちが聞き入った。

(2014年5月1日朝刊掲載)

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