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核廃絶の連携求める NPT準備委 パネル討議 広島知事と市長参加

 広島県は4月30日、核拡散防止条約(NPT)再検討会議の第3回準備委員会が開かれている米ニューヨークの国連本部で、核兵器の廃絶を呼び掛けるパネル討議を初めて開いた。湯崎英彦知事と広島市の松井一実市長がそろって出席。被爆地の取り組みを報告し、連携を求めた。 (ニューヨーク発 田中美千子)

 テーマは「広島の経験をいかして」。2人は、国連のアンジェラ・ケイン軍縮担当上級代表たち6人と意見を交わした。

 湯崎知事は、31カ国の核軍縮や不拡散の進展状況を採点した「ひろしまレポート」の公表など、県が進める「国際平和拠点ひろしま構想」を紹介。「広島は、人々がイデオロギーの違いを乗り越えて核兵器廃絶に力を合わせるための触媒になれる」と強調した。松井市長も、会長を務める平和首長会議の活動を説明し、目標の2020年までの廃絶へ「国境も世代も超えた幅広い市民の平和への願いを結集するため全力を尽くす」と力を込めた。

 ケイン上級代表は「県市のリーダーシップは貴重。広島の記憶は核軍縮を推し進める力を持つ」と同調。出席した非政府組織(NGO)関係者からも連携を求める声が相次いだ。

 湯崎知事は終了後、初の準備委参加を「広島の存在感を一定に示せた。核兵器廃絶に向け、活動レベルを上げたい」と振り返り、次の出張先の英国へ出発した。松井市長は、広島平和文化センターが初めて準備委に派遣した高校生たちの活動ぶりに触れ「自分の言葉で原爆被害の実相を伝えていた。継承の基盤づくりができた」と強調した。松井市長は2日夜に広島に到着する予定。

 一方、準備委は30日、各国政府が核問題全般について演説する「一般討論」を終え、軍縮など各論の討議に入った。

(2014年5月2日朝刊掲載)

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